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診療報酬部からの情報提供「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算について」
お知らせ2025.03.22
会員の皆様
今回、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の群馬県初の実践事業所である社会医療法人 鶴谷会 鶴谷病院のリハビリテーション課 課長 鈴木様(言語聴覚士)に当該加算についてお話を伺いました!なお、全く同様に実施されましても皆様の事業所で算定ができることを保証するものではありません。実践事業所様の実践例としてご参照いただければ幸いです。
以下、質問とご回答を掲載させていただきます。
Q1.算定をしている病棟でのリハ職種の参画人員数と職種(PT・OT・ST)の構成を教えてください。
A1.PT3名、OT2名、ST1名(うち専従OT1名、専任ST1名)が担っています。
Q2.専従のセラピストの職種、1日の主な業務内容と流れを教えてください。
A2.専従は、17年目のOTが当該加算のコーディネーターとして動いてくれています。業務内容としては、9単位分の疾患別リハビリ/当該病棟入棟患者様へのご挨拶・計画書作成・指導/リハ処方の確認/集団体操/リハビリカンファレンス・当該加算に関してのカンファレンス開催(週1回)/BIを含めた中間評価/当該加算に関する集計業務などです。
Q3.入棟患者全員の48時間以内のADL・栄養状態・口腔状態の評価の手順を教えてください。(各評価担当、データの管理方法など)
A3.①入院を担当したNsがADL(BI)・口腔状態を評価し、計画書に入力
②管理栄養士が栄養状態を評価し、計画書に入力
③リハビリがADLを含めた患者評価実施し、計画書に入力
(②③順不同)
データ管理はリハビリの専従・専任で実施しています。
Q4.再評価の頻度やタイミングを教えてください。
A4.安静度や病状に変化があった時、もしくは2週間を目安に再評価を行っています。
Q5.カンファレンスの定期開催と記録方法(内容)を教えてください。
A5.カンファレンスは1回/週、開催しています。
診療情報上求められている内容、ご病状の経過、リハビリ・栄養状況についての検討を行っています。
Q6.口腔ケア提供方法と口腔状態の評価について教えてください。
A6.評価は別紙様式7の2(PDF)、もしくはOHAT-Jの結果に準じています。
または歯科医師の指示に応じても実施しています。(OHAT-Jに関しては、当院口腔ケアチームで、日常生活自立度がB・Cランクの場合、OHAT-Jを行うことが規定されており、当該病棟もこれに準じて実施しています)
Q7.疾患別リハビリテーション対象外患者に対してのADLの維持・向上を目的とした指導内容について教えてください。
A7.自主歩行や集団体操の参加を促しています。
Q8.加算算定のための院内の委員会などはありますか?あればどのように活動していますか教えてください。
A8.特に委員会は設置していませんが、看護師・管理栄養士・リハビリでコアメンバーを決め、取り組んでいます。定期的に医局会にて医師に「入院時のリハビリ処方」について依頼を行っています。
Q9.BIの研修は具体的にどのように行っていますか?厚労省から出ているBIの解説動画などは参考資料としているか教えてください。
A9.研修会開催が要件にもあるため、当該病棟Nsへリハビリスタッフが研修を行っています。研修担当のリハビリスタッフは厚労省が配信している動画を視聴済みであり、今後は、動画視聴での研修も検討しております。
Q10.各医療機関の特性により変化があると思いますが、当該加算の算定において最も難易度の高い算定要件や施設基準を教えてください。
A10.難易度の高い算定要件は、常勤医不在の休日や年末年始、GWの際の「3日以内のリハビリ介入についての処方」です。施設基準に関しては、当院ではこれまで日曜は公休としていたため、日曜出勤可能なリハスタッフの人員確保に難渋致しました。
Q11.加算の点数(14日間120点)とマンパワー、プロセスアウトカム基準の遵守難度などを考慮すると算定を見送っている施設が多いと思いますが、実際に算定を行っていることで患者ないし職員にどのようなメリットが感じられているか教えてください。
A11.患者様から稀に「リハビリ休みの日も欲しい」という意見はありますが、概ね土日祝日のリハビリ実施に関して好評を得ています。リハビリの出勤体制が365日となり、病棟職員に実施したアンケートでは看護師の93%から『よい』との回答を頂いています。離床やADL向上、相談しやすい等の意見が出ています。
Q12.今後、当該加算を検討している事業所に対してアドバイスがあればお願いいたします。
A12.当院ではコーディネーター役をリハスタッフが担っているため、業務過多に感じる面がありますが、クラーク等の他職種が参画あれば、よりスムーズに実施できると考えます。加算算定において、専従・専任者以外のリハビリスタッフの理解と協力の重要性を深く痛感しております。
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