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■後輩理学療法士へ
未分類2024.12.06
はじめまして。前橋赤十字病院に勤務している須藤祐太と申します。臨床経験は今年で9年目となります。私は4年目の頃から回復期リハビリテーション病棟の専従として働いていますが、その中で特に印象に残っている症例のことやその経験を通して感じたことを、簡単にご紹介させていただきます。
患者様はCOVID-19肺炎により急性期病棟で長期の人工呼吸器管理が必要となった方で、私は回復期病棟へ転棟してから担当することとなりました。当初、意思疎通は問題なく行えるものの、内部障害を複数抱え、四肢の抗重力運動が困難で、車椅子へ移乗するのも4〜5人の介助を必要とする重症でした。医師からは本人・ご家族へ、今後歩いて生活することは難しいかもしれないとの説明がされていましたが、ご本人は歩いて家に帰るという意思が固く、ご家族はどんな状況でも自宅に帰ってきて欲しいとの思いでリハビリの継続を希望されていました。疾患や重症度など、私が過去に経験したことがない症例であり、周りのPTでも経験のない症例であったため、参考になりそうな文献をいろいろ調べ、そこから私自身ができる理学療法を提供しました。その結果、ご本人のHOPEである屋内歩行の獲得と、自宅退院という目標の達成に繋げることができました。
患者様と自分自身が立てた目標に到達できた時の達成感は、理学療法士としての一番のやりがいだと思います。理学療法士は生涯学習が必要で、学習を継続することは楽なことではないかと思います。私は今回のケースで目の前にいる患者様の人生が、自分の行う理学療法によって変わるかもしれないということを改めて強く感じました。
担当した患者様に、より質の高い理学療法を提供することができ、患者様に満足していただく結果にも繋げるためにも、また理学療法士という職業にやりがいを感じるためにも、日々の自己研鑽に励んでみてはいかがでしょうか。