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書籍紹介「症例・事例報告から始める PT・OTのための臨床研究実践法」
未分類2024.12.06
著者名:森岡周(監修)
石垣智也・丁子雄希(編集)
出版社:メジカルビュー社
価 格:3,800+税
初めまして、みどり市の恵愛堂病院に勤めている森下と申します。今回私が紹介させていただくのは「症例・事例報告から始めるPT・OTのための臨床研究実践法」です。
この書籍はケースレポートと研究の連続性をコンセプトとし、ケースレポートから研究、そして研究からケースに立ち返る「循環型の臨床研究」を実践する方法を解説されています。
序章では臨床研究における基本的な研究デザインに加え、PubMed等での論文検索方法、論文の読み方等について具体的に網羅されており、情報収集のプロセスをわかりやすく解説されています。若き日の自分は論文を読んだ際、ある論文では「○○に対し××に有効である」と書かれているのに対し、別の論文では「○○に対し××は無効である」と書かれており、とても混乱したのをよく覚えています。今思うと研究デザイン等について知らず、論文を十分に読むことができていなかったなぁと反省するばかりです。
次章以降では具体的なケースレポート、臨床研究の目的・方法・流れについて解説されています。この書籍で特徴的なのは、症例・事例紹介として著名な先生方がどのように臨床疑問を持ち、それを学会発表・論文執筆に至ったかの過程を詳細に解説されている点です。このような書籍は私が把握している限り、今までなかったかと思います。そういった点では解説書としてだけでなく、指南書としても十分な活用が可能となっています。また普段耳にすることの少ない統計処理方法について、どのような方法か、なぜその方法を選択したのかについて簡単ではありますが解説されているため、初学者で挫折しやすい統計についてもわかりやすい内容となっています。
日本理学療法士協会における生涯学習制度が改訂され、専門・認定理学療法士の更新には都道府県士会またはブロックレベルでの学会発表や論文採択が必須となりました。認定理学療法士を取得された一方、学術活動されていなかった先生方も少なからずいらっしゃると思います。この書籍はそのような先生方はもちろん、臨床における問題解決に活かせる内容も多く含まれておりますので、経験豊富な先生方にもぜひ手に取っていただきたい一冊となっております。
冗長な文章となってしまいましたがご容赦ください。私もまだまだ初学者です。学会の場等でお会いする機会がございましたら、ぜひご指導のほどよろしくお願い致します。