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■理学療法士のワークライフバランスを考える「ワークライフバランス…?」
未分類2024.08.30
介護老人保健施設青梨子荘 松本 勝美
今回、「ワークライフバランス」をテーマに執筆の依頼を頂きました。昭和の頃から仕事をしている私にとって、「ワークライフバランス」と聞いて、またまた新しいカタカナ英語が出てきたぞ。みたいな感じでした。
昭和・平成・令和と仕事をしてくる中で、自分自身が人生(生活)と仕事について、その時々で目的や目標があり、それに向かい生きてきたように思います。その中で仕事の占める割合が大きくなり、プライベートが少なくなることは多々ありました。ただ、自分が決めたことを一生懸命に行ってきただけで、それが良いとか悪いとか考える間もありませんでした。
時間は誰にでも平等に与えられています。その時間の割り振りをすることが、バランスだと思います。「ワークライフバランス」は、日本語では「仕事と生活の調和」と訳されます。均等ではなく調和となっていることが意味深いことであり、前述の私の人生も自分にとって調和がとれていたのかなと感じます(時に不協和音もありましたが…)。そんな自分が今では職場を管理する立場にあり、職員の「仕事と生活の調和」の仕事部分に携わっています。管理職として組織が成長することを一番に考えなくてはなりません。そのためには、職員が仕事にやりがいを持ち、また仕事がやりやすく生産性の向上が図れるよう環境等を整えることが必要です。そして職員の目的・目標のための支援を行うことも大切な仕事になると考えています。そもそも仕事には勤務日・勤務時間が決められており、その時間内において仕事上の責任を果たすことが職員としての務めであり、勤務日・勤務時間以外は生活の時間であるはずですが、現代は結婚や育児をはじめとする家族形成のほか、介護やキャリア形成、地域活動への参加等、個人や多様なライフスタイルの家族がライフステージに応じた多種多様な希望があり複雑化していることは否めません。
現代は、老若男女のあり方や多種多様な考え方があり、そして行動できる世の中になりました。昔に比べると一見便利になりました。ただ、将来に対しての夢や目標(理想)を持たずに、今だけを見ている人の多くがライフワークバランスという言葉を逆手に取っているように感じます。夢や目標(理想)のある人は、実現のために、今、何をすべきかを考え決断し行動しています。傍から見れば「何でそんなに頑張るの?そんなの損じゃない。」と思われても、また、生活の大半がそのことになってしまっていても本人にとっては、その状況がバランスのとれている状態であることも事実です。
長いようで短い人生、今何がしたいかではなく、夢や目標の為に今何をすべきかを考えて行動すること。その為に、周りの人達やパートナーとしっかりと気持ちのキャッチボールをすること、そこには尊敬と受容が存在したうえで意志を伝えることが大切です。この繰り返しがライフスタイル・ライフステージに伴う本来のライフワークバランスであるのではないでしょうか。
右向け右の時代ではありませんが、今も、なにかに流され同じ方向を向いてしまっている状況は変わっていないように感じます。日本人の性なのでしょうか、、、、。
「ライフ」も「ワーク」も、人それぞれでいいんじゃないですかね。
オールドマンの戯言と一笑して頂けたら幸いです。