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■理学療法アラカルト 「心理的安全性」について
未分類2024.06.21
公立七日市病院リハビリテーション技術科 渡辺 真樹
皆さんは、「心理的安全性」という言葉を聞いたことがありますか?医療安全や接遇、ハラスメントに関する委員会等のメンバーの方なら耳にしたことがあるかもしれません。医療現場ではとても大切なことなので簡単に紹介します。
治療成績が良い医療チームの方が、ミスの報告数が多いとの報告があります。逆の様に思えますが、なぜでしょう?患者さんの命がかかっていても、人は「言えない」時があるからです。「やらかしてしまった時に言える」のが、心理的安全な組織と言えます。では、何故言えなくなってしまうのか?
例えば、課題が見つかっても仕事が増えるだけ、アイデアを出してもダメ出しされる、挑戦しても失敗したら責められる、このように罰や不安を与えるチームが言葉を閉ざしてしまうのです。他にも、いつも機嫌が悪い、何を言っても否定から言われる、目を合わせて話さない等も影響します。罰と不安は行動を減らす効果があります。では、どうするとよいのか?
チームの心理的安全性を構成する4つの因子があります。
1.話しやすさ
「何を言っても大丈夫」
2.助け合い
「困ったときはお互い様、必要な時に助けを求められる」
3.挑戦
「やってみようじゃないか、(失敗しても)ナイストライ!」
4.新奇歓迎
「的外れな意見、大歓迎!的外れは早期にわかった方が良い」
つまり、心理的安全なチームとは、意見を言っても、助けを求めても、挑戦してみても、個性を発揮しても、認めてもらえるチームと言えます。
後輩が失敗したときの良い対応方法を示します。「WHY/なぜ」を問わないことです。「WHY/なぜ」を問うと、謝罪と言い訳のスパイラルに陥り、改善や成長につながらないことが多いのです。おすすめの言葉としては、「WHAT/WHERE」に置き換えることです。「わからなかったところはどこ?」、もっと言えば「一緒に考えよう!」と寄り添う意志を伝えることも有効です。
皆さんの職場でも心理的安全性が高くなると質の向上につながり、結果的に仕事が楽しくなると思います。理学療法士という素晴らしい仕事が楽しくできたら最高ですよね。
少しでも心理的安全性に興味をもたれたら、さらに深く学習することをお勧めします。
参考:認定病院患者安全推進協議会「医療現場に必要な心理的安全性とは~患者安全へ向かっていく組織・チームをつくる~」 株式会社ZENTech取締役 石井遼介
イラスト出展:「illust AC」 https://www.ac-illust.com/main/search_result.php?word=チーム医療