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職場紹介 『公益財団法人脳血管研究所 美原記念病院』
未分類2024.03.06
公益財団法人脳血管研究所 美原記念病院 藤田知美
当院は脳・神経疾患専門病院として、急性期から在宅まで一貫した医療介護を提供することを理念とし、地域医療の一角を担っています。一次脳卒中センターコア施設として、24時間365日脳卒中患者さんを受け入れ、血栓溶解療法や血管内治療を積極的に行っています。また、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症といった神経難病患者さんについても、診断から亡くなるまで一貫した診療を行うべく、レスパイトケア目的の入院も受け入れています。介護老人保健施設アルボース、訪問看護ステーショングラーチアを併設し、急性期から在宅までシームレスに関わり、地域患者さんの治療効果およびQOLの向上を追求しています。
リハビリテーション部は、臨床のみならず、学術的視点からも地域の社会的課題に応じた専門的リハビリを提供することを心がけています。患者さんが直面している課題に真摯に向き合い、患者さんがより豊かに生きることができるよう、業務に取り組んでいます。
リハビリスタッフは、PT・OT・STという所属ではなく、急性期、回復期、生活期、神経難病課に組織化されています。3職種が隔たりなく、チーム一丸となって専門的にアプローチしています。理学療法は、急性期であっても、重症であっても、早期から歩行練習を行えるよう免荷式トレッドミルや多数の装具を取り揃えています。患者さんの回復を促進すべく、機能練習やADL動作練習を積極的に行い、さらに病棟看護師と連携し、実生活でのADLに繋げています。また、患者さんのいきがいを見つけることができるよう、IADLや生活範囲なども考慮した関わりを持つようにしています。これら急性期から在宅まで時期にとらわれず一貫した理学療法を提供していることが当院の強みです。他にも介護予防教室や地域ケア会議に参加し、地域活動にも積極的に関わっています。
当院は、学術研究機関であることから、積極的な学術発信が求められています。動作解析装置を用いたり、データベースを蓄積し研究活動を行い、年20件程学会発表をしています。研究活動というと、敷居が高いように感じられるかもしれません。しかし、皆さんは患者さんのアセスメントをする際に、問題点から仮説を見いだし、課題解決に向けてプログラムを立案し、実践しながら仮説が正しいか検討すると思います。研究活動もリサーチクエスチョンから、仮説を見いだし、それらを検証する作業であり、わたしたちが行っているクリニカルリーズニングと共通しています。患者さんの改善に対して、PTの自己満足で終わるのではなく、治療の根拠を確立することも我々PTには求められているのです。
現在、リハビリ部はPT58名が在籍しています。経験年数が幅広く、価値観が多様化する中、標準化された再現性の高い理学療法を提供していく必要性を感じています。様々なライフステージにあるPTが、ライフワークバランスを保ちながら、やりがいをもって働けるよう日々悩み、葛藤しています。令和6年度は、パーキンソン病・運動障害センターの設立、脳卒中患者さんの就労支援のための農業事業設立に向けて動いています。患者さん、地域のニーズに応えるために、美原記念病院リハビリテーション部はこれからも進化しつづけていきます。