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■群馬県理学療法士協会による高年齢者就労支援事業のご紹介
未分類2023.12.01
社会局 地域包括ケアシステム部 塩浦宏祐
高年齢者における労働災害について
高年齢者の就業率は年々伸びており、65~69歳で約5割となっています。その背景で高年齢者の労働災害の発生率も高くなることが報告されています。国も第14次労働災害防止計画(令和5年3月)において、「理学療法士等を活用」することを明記しており、理学療法士の職域拡大は益々進んでいくことが予想されます。群馬県理学療法士協会では令和4年度より社会福祉施設を対象とした高年齢者就労支援事業を開始し、施設に対して理学療法士の派遣を行っています。本事業の活動内容と今後の展望についてご報告させていただきます。
令和4年度 高年齢者就労支援事業について
介護老人保健施設(以下、老健)協会による、高年齢者を対象とした介護助手養成事業に参加した介護助手を対象に実施しました。計3施設よりお申込みをいただきましたが、Covid-19感染拡大の影響もあり、1施設のみの実施でした。対象者に対して2回の介入が行えるよう、理学療法士1~2名を計4回派遣させていただきました。当日は健康管理評価、作業管理・作業環境管理評価を行った後に個別指導を実施しました。健康管理評価はフレイルや非特異性腰痛の評価、歩行能力評価を中心に実施し、作業管理・作業環境管理評価は実際の業務場面を評価しました。
最終的に3名の介護助手に対して介入を行いました。具体的な作業指導としては、モップ掛けの姿勢、低い高さでの作業場面に対する作業姿勢の指導、腰を曲げずに行うための足の位置の助言、シーツ交換の際のベッドの高さ調整等について伝えました。体操は日本理学療法士協会産業領域推進委員会作成のパンフレットを用いて指導しました。本事業を通して得られた課題として、対象者都合による訪問計画(日程調整)、身体機能評価の時間やスペースの確保の難しさ、施設内導線把握の難しさなどが挙げられました。
令和5年度 高年齢者就労支援事業と今後の展望
今年度は老健、特別養護老人ホーム、グループホーム、訪問介護事業所で就労する方を対象に理学療法士の派遣を予定しており11月以降から順次実施していきます。事業計画は昨年度の課題を活かしてブラッシュアップさせています。
現時点では部員とアドバイザーの方を中心に派遣しておりますが、来年度以降は会員の皆様から広く公募していきたいと考えております。また、他業種への展開も視野に入れております。本事業を通して、高年齢者が健康で働き続けられる社会の実現に向けて寄与していきたいと考えていますので、是非ともご協力をお願いいたします。