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書籍紹介
未分類2023.05.22
「園部俊晴の臨床『膝関節』」
著者名:園部俊晴
出版社:運動と医学の出版社
価格:6600円+税
初めまして、公立館林厚生病院の多田侑平です。当院で働き始めて、8年目になりました。急性期、回復期を経験し、現在は回復期に従事しております。さて今回、ご紹介させて頂きたい書籍ですが、園部俊晴の臨床「膝関節」です。一昨年の2月に発売された比較的新しい書籍です。園部俊晴先生は、下肢障害の治療を専門としており、一般からプロスポーツ選手まで幅広い方に支持されています。身体運動連鎖や歩行に関する研究や文献多数出されており、以前から園部俊晴先生の文献を参考にさせて頂くことがありました。当院では整形外科疾患の患者様を診る機会が比較的少なく、膝の痛みで思うように治療が進まない症例を経験したことが決め手で購入しました。
この本は、全5章から構成されており、はじめに第1章で臨床における仮設検証の重要性を述べ、第2章で臨床推論における評価を紹介しています。まず、この書籍の大きな注目ポイントとして、膝関節について「組織学的視点」と「力学的な視点」という2つの側面から丁寧に解説していることです。
次に、第3章で痛みを生じやすい組織を9つ挙げてそれぞれの評価と治療方法を各論的に解説しています。評価や治療方法などイラスト付きで分かりやすく書かれているため臨床場面ですぐに活用できると思います。
第4章では膝関節の伸展、屈曲制限の改善方法を分かりやすく解説しています。私自身も変形性膝関節症やTKA後の患者様を介入する際、臨床で活用させて頂き、治療効果を肌で感じているところです。
第5章では「膝関節過外旋症候群」と「変形性膝関節症」という代表的な膝の症状に対する評価と治療法について、深掘りして解説されています。徒手療法だけでなく、テーピングやインソールパットを用いて治療していく充実した内容であり、様々な治療法を学ぶことが出来ます。臨床で携わることの多い、この2つの症候群の内容を理解することによって膝関節疾患に対する自信が強くなること間違いないと思います。
最後に、各章で評価方法や治療方法を動画で見て学べるように、WEB動画のQRコードが掲載されています。動画を利用し評価方法や治療方法を自分のものに出来るのではないでしょうか。日頃から整形外科疾患の治療に携わっている方、ご興味を持たれた方は、是非一読してみてはどうでしょうか。