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地域包括ケアシステムって何ですか?①
未分類2023.05.22
吾妻地域リハビリテーション広域支援センターの取り組みのご紹介
群馬リハビリテーション病院 安齋 一也
(吾妻地域リハビリテーション広域支援センター)
地域包括ケアシステムは、医療、介護、生活支援・介護予防を住み慣れた地域で包括的に提供する体制を整え、地域特性に合わせた支援を切れ目なく展開することです。寝たきりを極力作らず、元気な人々を増やす事で、地域力の向上・健康寿命の向上・地域共生社会の実現などを図ることが目標です。
病院や施設で個別の理学療法をしていても地域に復帰をする場合には、家族・事業所職員・ケアマネジャー、通院先の理学療法士等、患者さんに関わる多くの方々と連携を図り、情報提供や技術・方法の伝達をされていると思います。理学療法士が行う普段の業務も、地域包括ケアシステムの一部を担っているのです。しかし、個別の理学療法では手が届かない方々がいるのも事実です。広域支援センターはリハビリ専門職と市町村を繋ぐ窓口となり、地域の特性や状況に合わせたリハビリテーションの展開を支援しています。
吾妻地域で地域包括ケアシステムを実現するにあたり、山間部且つ管轄範囲が広いことが、大きな問題です。更に少子高齢化と人口減により、面積あたりの事業所数は非常に少なくなります。つまり自助や互助での健康維持活動が重要な地域となるわけです。そこで重要なのは後押しをしてくださる方々の存在です。吾妻地域リハ広域支援センターでは、年間4回ほどセラピスト交流会を開催し、勉強会を行うことで顔が見える関係をつくり、協力しやすい環境作りをしています。実際に多くの病院・施設や専門職の協力を得て運営しています。
吾妻地域リハ広域支援センターの主な活動は上記の図のように間接的支援が主体となります。地域や組織を支援する取り組みや個別対象者を間接的に支援する取り組みへのセラピスト派遣を実施しています。また集団・組織に直接関わる取り組みとして実地指導を行っています。さらに直接支援として、自治体からの派遣要請を受けてリハビリ専門職が介護予防教室等で、地域住民と関わる活動も実施しています。
超高齢化と人口減少が進む吾妻において、サロン(通いの場)の展開は重要なフレイル予防の基盤です。地域住民が誰でも頑張らずに運営できるシステム・環境・ネットワークの構築が最大の課題と考えています。