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理学療法士が知っておきたい社会保障制度
未分類2023.03.08
「時間外労働について考えてみましょう」
ワークライフバランス部 田畑 直人
令和4年10月15日(土)に、オンライン形式にてワークライフバランス部主催の研修会が開催されました。第1部は特定社会保険労務士の中嶋栄先生より「時間外労働の制度と労務管理上のポイント」をテーマにご講義いただきました。残念ながら当日は先生のご都合により事前録画した動画となったため、直接お話を伺うことはできませんでしたが、労働基準法や男女雇用機会均等法、長時間労働によるリスクなど、就労環境の整備や労務管理におけるポイントについて学ぶことが出来ました。昨今、育児休暇取得に向けた法改正が進み、本人または配偶者の妊娠・出産を申し出た労働者に対して、組織は育児休暇制度に関する説明と取得の意向確認が義務付けられました。安定した組織運営に向けて、社会情勢や社会保障制度を学び、仕事と生活のバランスがとれる職場を作ること、またその職場においてスタッフ自身が仕事と生活をマネジメント出来る様に支援することが必要であると認識しました。
第2部では参加者による意見交換会が行われました。今回の研修会は理学療法士としての専門性を高めるものとは趣旨が異なるためか参加者は少ない状況でしたが、少人数だからこそのざっくばらんな意見交換が行えたと思います。各々の職場における時間外労働の現状について、業務の偏りやカルテ記録や書類関係など挙げられ、参加者の職場における実態や働き方の工夫について共有する事ができました。また当日の参加者にはプレイングマネジャーとして、治療だけでなく組織運営や管理に携わっている方もおり、所定労働時間には治療を行い、時間外労働として管理業務を行わざるを得ないという管理職ならではの状況も確認できました。
今回受講し、単に時間外労働の短縮に働きかけるのではなく、労働生産性を落とすことなく時間外労働を削減するために業務を分析し改善していくことが必要だと認識しました。業務の基準やマニュアルの整備、全体が最適となるような業務配分、治療だけでなくカルテ記録や書類についての教育、効率的にリハビリテーションが提供できるよう他職種との業務プロセスを見直すなども必要かと思われます。空いた時間は自己の成長やプライベートの充実へと活用する、そして個々のライフステージに応じた働き方を選択できるよう就労環境の整備や労務管理に取り組みたいと思います。
ワークライフバランス部 gptworklife@gmail.com